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話す事のトレーニング

執筆者の写真: movefreeonlinemovefreeonline

MoveFree!はもう10年以上続いているけれど、いまだにセミナーをやる時は緊張する。


お話のプロじゃないので当然だし、緊張しなくなったらそれはそれで本分からズレ始めている兆しかも知れないので、まあそれで良いと思ったりもしている。


そんな感じなんだけど、僕はセミナーでもそうだし、選手やコーチ、クライアントと話す時にいくつか徹底している事がある。


・なるべく専門用語を使わない

・英単語で誤魔化さない

・複雑な事をどれだけ簡単に伝えるか


特にこの3つは個人的にとても重要視している。


専門用語や英単語は、口にするだけで「何かを知っている雰囲気」を醸し出し、中身のない話をあたかも中身があるように見せかける効果がある。


専門用語や英単語を駆使して簡単な事を複雑に説明すると、めちゃくちゃ良い事を言っているような雰囲気が出る。


僕はそれがめちゃくちゃ嫌いだ。


話をしている本人も実は自分で話をしている内容がよく分かっていないのに、専門用語や英単語を連発しているうちになんだか本人も分かっているような気になってきて、実はめちゃくちゃ薄い内容をハリボテで飾る、みたいな事は良くあるし、無茶苦茶に飛躍した論理を専門用語のパワープレイで宇宙までも飛躍する、みたいな例は履いて捨てる程ある。


そういう話を聞くと、聞いている側も何か凄い事を聞いている気になったりするけど、結局のところお互い何も分かってない…のにそれにさえ気付かないという非知性的エコシステムが生まれる。


20代の頃はかなりいろいろなセミナーを行脚していたけど、そういう話し方をする人に出会う度に「この人って簡単な事を複雑に説明して賢く見られたいだけで、何もこのセミナーの内容なくね?いや、むしろ何か伝えたいとかじゃなく賢く見られたいためにセミナーやってるのか…そうか…。」と納得したりもした(なんてイヤな若者なんだろうか)。


そんな下地もあったし、大学院で「初めてその話を聞く人にも分かるようにプレゼンしろ。スライドに専門用語をたくさん並べて誤魔化すな。」と散々言われてきたので(いや絶対ムリ…と何度思った事か知れない)、なおさらそう思うのかも知れない。


そんな訳で、仕事で話しをする時は立ち話をする程度の感じで、難しい事をどれだけ簡単に伝えられるか毎回挑戦している。


その方が自分の思考も練られるし良いと思う。


生物の進化を3歳児が見ても分かるような絵本が描けたら、僕の個人的な一つのゴールに辿り着けるかも知れない。



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