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浮かばない舟

更新日:2022年6月22日

様々な主君に仕え、お家断絶の危機を幾度も乗り越え最終的に徳川将軍家はじめ多くの大名の剣術指南役として名を残した新陰流流祖、柳生宗厳(石舟斎)は、バガボンドファンなら誰でも知っているジジィだ。


彼の「石舟斎」という一風変わった号の由来は、「浮かまざる兵法故に石の舟 朽ちぬ浮名や末に残さん」という、彼自身が残した兵法百首という歌集に収められた歌から見る事ができる。


優れた技術を持ちながら、長く不遇の時代を過ごした柳生宗厳が64歳の時に出家し、その折に編纂した歌集が兵法百首であるが、そこには「我々の兵法は流行りのように浮かびあがるものではないが、浮かび上がる事がなければ沈む事も、朽ちる事もない石の舟のようなものだ。朽ちる事なく、世に名を残していくのだ。」という心が詠われている。


しょうもない流行がトレーナー界でも多々発生するが、それは水面の一時のざわめきに過ぎない。


本質は水底の、沈んだ石の舟からしか見えないのかも知れない。


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