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スポーツ現場で働くという事

執筆者の写真: movefreeonlinemovefreeonline

僕はいろいろなチームでいろいろな形態で仕事をしてきた。フルタイムもあれば、スポットもある、AT兼SCもあればそのどちらかだけもあるし、チームによって働き方は様々だ。AT兼SC兼マネージャーでフルタイムの事もあったくらいだ。


スポーツ現場で働く事が好きだし、どんな形態でも別に僕は構わないが、当然のように長時間労働を科せられるフルタイムは仕事としてはハードだ。


フルタイムの仕事は本当にフルタイムで、勤務時間なんていう概念はない。いつコーチや選手から呼ばれるか分からないし、オフも病院帯同なんかで無くなるのは当然。コーチや選手の送迎なんかもやったりする。


朝から晩まで、と言うか試合シーズンが終わって1ヶ月程度以外はほぼ毎日1日中拘束されるようなチームも多い。


それでいて、格段報酬が高い訳でもない。


働き方改革なんて、スポーツ現場では別世界の噂話に過ぎない。


そこまで仕事に拘束されるなら、せめて自分で起業して自分の仕事に全時間費やしてコミットした方が成長や成功する可能性が高いはずなんだが…


とは言え、「プロチームのトレーナーになる」という事を目標にしている人達も多いし、自分もそうだった。


実際にスポーツ現場を何周かして思うけれど、それ自体は楽しい仕事だしやりがいもある。


だけれど、はっきり言って時間に対する効率がめちゃくちゃ低い仕事だとも思う。


金銭面でも、自分の能力を社会に還元するという点でも、めちゃくちゃに効率が低い。


一日の中で会う人間の数と言えば、チーム関係者だけ。一日の中で自分が何かを提供できる人間の数と言えば、選手だけ。


病院のリハや治療施設の方が余程良い効果を社会に提供できる。


京都ハンナリーズを辞めた後にまつど西口整形クリニックの立ち上げをやったんだけれど、そこでたくさんのいろいろな患者さんに接する機会を得られた事は、結構大きな気付きになったりした。


結局その後もACA桜上水を経営しながらフルタイムでチームの仕事をしたけれど…まあ忙しかったなその時は。博士課程も行ってたし。記憶がほとんどない。他のチームのトレーナーに「片手間」とか言われた記憶はあるけど…


でも時間当たりの効率は低いし、当然ながら起業や経営といったサバイバル能力が養われるものでもないし、ビジネスのノウハウも身につかない。なので将来性はあまりない。勉強する時間も、ほぼない。


夢も希望もない話だな…と思うかも知れないが、事実だ。


しかし、まあなんだかんだ言ってフルタイムの仕事は大変だけれど、楽しい。これも事実だ。


大変だろうが、もしそれがやりたい事なら仕方ない。やりたい事がある、というだけで人生はちょっと良いものになるし、例えどんなに大変だろうとやりたい事をやっている人というのは輝いて見えるものだ。


グダグダ言ってますが、結局のところ、やりたい事をやれ。

これに尽きる。


迷わず行けよ。行けば分かるさ。





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