「イノベーションを起こしたい」とかなに?という話

いわゆるGAFAの創業者達は、生活が一変するくらいのイノベーションを僕達の生活にもたらしている。10年前とは明らかに生活や仕事の便利さが違う。


これもまた本質の一つだよな〜と思うのは、GAFAの創業者達は圧倒的イノベーションを社会にもたらしたにも関わらず、「イノベーションを社会にもたらす事」を企業活動のテーマにしていない事だ。


自分達のサービスを追究する事がそもそもの目的で、その結果としてイノベーションが起きただけで、イノベーションを起こす事を目的にサービスを生み出したのではない。


世界1の検索エンジンを作りたいとか、機能もデザインも洗練されたパソコンを作りたいとか、そうした自分達のプロダクトに対する情熱が先立っていて、「イノベーション」は単なる結果だ。


トレーナー界隈にも「トレーニングの既成概念を変える」とか、「日本のトレーニング界を変える」とか、「トレーナーの社会的価値を向上する」とか、「トレーナーの認知度を向上する」とか、「トレーナー教育を変える」とか、こうした「大きな言葉」を言う人達はたくさんいる。


そして、こういう事を言う人達は往々にして優れたプロダクトを持っていないし、独自の発想や技術も、その言葉を実現する施策も持ち合わせていない。


創造性なくしてイノベーションなど起こり得ないにも関わらず、そういう人達は二次情報、三次情報に高値をつけて売っているのが関の山だ。創造性の追究にはそもそも興味がない。


トレーナー界隈の人間で、自分の仕事の目標を人に紹介する時に「既成概念」とか、「社会」とか、「革新」といった曖昧な大きな概念が真っ先に出てくるようなヤツは、だいたい中身がないヤツである場合が多いな〜、なんて思う。


自分のやりたい事を仕事にしながらご飯を食べるために毎日がんばってます。やりたい事は運動の楽しさを知ってもらう事です、とか、トレーニングの面白さを知ってもらう事です、とか。それが普通でしょ。


毎日ご飯を食べていくためにトレーナー業界にイノベーションを起こしたいんですよね〜って、えっ?どういう事?ってなりますよね。


実像と乖離した大きな目標よりも、一隅を照らすような小さな目標で自分のやりたい事を説明できるようになった時、「自分のやりたいことが分かった」と言えるのかも知れない。


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